教えて!よしかた先生

骨粗しょう症編

善方先生のプロフィールはこちら

1.なぜ骨粗しょう症は女性に多いのですか。

骨は赤ちゃんからご老人までずっと代謝を続けている臓器。
破骨細胞が骨を壊し、骨芽細胞が骨を作るという骨代謝で骨の密度を保っています。

女性ホルモンのエストロゲンは、破骨細胞をコントロールする役目を持っていて、骨が壊れ過ぎないように制御しています。閉経して、エストロゲンが不足すると、破骨細胞が暴走して骨を壊すスピードが上がるため、女性の方が骨粗しょう症になりやすいのです。
男性には閉経のようなダイナミックなホルモンの変化がないので、加齢とともにゆっくり骨密度が減少します。

2.年齢もまだ若いし、骨折した経験もありません。骨粗しょう症は気にしなくても大丈夫ですか?

善方先生

最近、若年女性の骨粗しょう症が問題になっています。実は、原因は、若い女性の『やせ過ぎ』にあります。
BMI(Body Mass Index)は(体重 kg)÷(身長 m)2で計算して、標準体重は22、BMIが18.5未満であると『やせ過ぎ(るいそう)』と定義されます。例えば、158cmの場合、54.9kgが標準体重で、46.2kg未満はやせ過ぎなのですが、おそらく皆さん、「158cmで55kgなんて、太ってる!」と感じていませんか?
これを、「ボディイメージのゆがみ」と言うのです。
やせ過ぎは昔で言う"栄養失調"なんです。食事に時間をかけられない、小食であることなどで、本来20歳代で最大骨密度になるはずが、骨の密度が上がらずスカスカな骨になってしまう人が増えています。
 

また、月経周期が40日以上あく稀発月経や、90日以上月経が来ない無月経になってしまうと、女性ホルモンのエストロゲンが低下し、前述したように破骨細胞が暴走してしまうので、骨粗しょう症になりやすくなります。
 

『妊娠後骨粗しょう症』という怖い病気をご存知ですか?
妊娠後期から産後授乳中に、突然の脊椎多発骨折で発見される、若い女性の骨粗しょう症です。背骨の骨折ですから、育児ができないのは当然のこと、ママは立ちあがれず歩けない状態になってしまいます。元々の骨密度が低い、やせている、その他にも様々な要因が関係すると考えられていますが、妊娠前にご自分の骨密度を知っておき、対策を立てることは大切です。
若いから骨粗しょう症なんてない?現代において、そうは言っていられない状況にあると思われます。

3.どのように予防すればよいですか。

まずは、思春期に骨密度をしっかり獲得することが重要です。でも、思春期を超えた20歳代以降の方々にとって、今の自分の骨密度がどのくらいなのか?ほとんどの方は測定したことがないかもしれません。
もし、測定できる機会があれば、ぜひ調べてみてくださいね。
 

今の自分の骨密度が減らないように、ちゃんと維持したい!そのためには、朝食、昼食、夕食しっかり三食摂り、たっぷり睡眠、ちゃんと運動することが基本です。さらに一歩踏み込んで、骨の健康に重要な栄養素であるカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを積極的に摂ることが大切です。
 

カルシウムは吸収率の高い乳製品は効率よく摂取できますが、小魚にも多く含まれます。
ビタミンKは納豆1日1パック、緑黄色野菜は片手いっぱいを1日3回で充足できるといわれています。
ビタミンDの供給源の約80%は日光で、食事からは20%と言われています。太陽光のUVによって皮膚で生成され、冬なら1日30分~1時間、夏なら15分程度の日光浴が効果的です。しかし、シミ・そばかすが気になる若い女性にとって、『UVケアしないで日光浴しましょう!』と言われても、なかなか受け入れがたいですよね。食事からの供給が難しいビタミンDは、サプリメントでの摂取も有効です。20歳までに最大骨量を獲得できたら、その骨量を維持できるように、引き続き栄養不足、運動不足にならないように健康的な生活を心がけましょう。
 

骨密度が減少する原因には、体重減少のほか、月経不順による低エストロゲンが関係します。3か月以上月経がない無月経の場合は、前述したように女性ホルモンのエストロゲンが不足して、破骨細胞が骨を壊すスピードが上がってしまいます。「月経がないのはラクだな~」などと放置せず、婦人科で相談しましょう。更年期症状が気にならなくても、閉経後の方は骨密度が激減しているかもしれません。婦人科や整形外科で骨密度検診することをお勧めします。また、ステロイド剤の服用、月経困難症の偽閉経療法、甲状腺疾患、なども骨密度を減少させ骨粗しょう症になるリスクが高くなります。長期にわたるステロイド剤の服用が必要な場合は、主治医の先生に骨のことを相談すると良いですね。

どのように予防すればよいですか。

4.骨粗しょう症の検査について教えてください。

骨粗しょう症は骨密度がYAM(Young Adult Mean:若年成人平均値)の70%以下と定義されています。つまり、骨密度を測定することで診断されます。
骨密度検査には以下の4つの方法があります。
 

1)DXA法: 弱い線量のX-Pで測定。背骨(椎体骨)と大腿骨が標準検査ですが、前腕骨での測定でも有用です。

DXA法

2)超音波法: かかとの骨で計測します。X-Pを使わないので、妊娠中でも測定できます。

超音波法

3)MD法: X-Pを使って手の骨とアルミニウムの濃度比から測定します。

MD法

4)QCT法(定量的CT測定法): CTで骨量を3次元的に測定する方法。X線被ばくが多くなるので、検診などには向きません。

 

骨密度検査のほかに、骨の単純レントゲン検査で骨折の有無とともに、骨の濃度を視診で見る方法があります。25歳時の身長と現在の身長との差が4cm以上の場合は骨粗しょう症による骨折の可能性が高いといわれています。また、血液・尿検査でビタミンD,Kは足りているのか、骨代謝マーカー(注)の値や、血液中のカルシウム値、尿から排出されるカルシウム量などを知ることができます。

骨粗しょう症は、サイレントディジーズ(無言の病気)と言われていて、骨折するまで特別な症状はありません。だからこそ、妊娠前や更年期に骨密度検診をしておくことが肝心です。ぜひ、ご自身の骨の健康について関心を持っていただきたいと思います。
 

注: 破骨細胞が骨を壊すスピードや、骨芽細胞が骨を作るスピードを示す検査値のこと

おすすめ動画

  • ただいま登録されている情報はありません

関連コンテンツ