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教えて!よしかた先生 最近の生理事情編

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2.生理不順と将来のこと

2~3か月生理が空いたり、月に2回来ることもあるし。
生理周期がバラバラ・・・

生理不順になると将来的に何か困ることがありますか?

生理不順を放置してしまうと、将来、色々と困ることがあります。特に、無月経を放っておくと、骨がスカスカになる骨粗しょう症や、子宮が萎縮して小さくなってしまう可能性があります。また、「多のう胞性卵巣症候群」(※)であることを知らずに、何もしないでいると、不妊症や子宮内膜がんのリスクがあがってしまいます。

※多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovarian syndrome(PCO)):卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞が卵巣内にとどまってしまう病気

生理不順には様々なタイプがあります。(図1参照)

・過多月経

経血量が多い場合は、過多月経により貧血を引き起こす子宮筋腫や子宮内膜症という病気があるかもしれません。貧血には「息があがってハアハアする」「疲れやすい」という症状があり、よく言われている「立ちくらみ」だけが貧血の症状ではないのです。貧血は血液中の酸素が不足している状態なので、しっかり治療しないと心臓に負担をかけることになってしまいます。

・頻発月経

月経周期が24日以内でひと月に何回も生理が来てしまうような頻発月経では、子宮頸がん、子宮体がんなどの悪性腫瘍が隠れている可能性があります。

過多月経、頻発月経はできるだけ早く婦人科を受診して病気がないかどうか、診察してもらいましょう。子宮筋腫や子宮内膜症が見つかった場合、不妊症の原因にもなるため、ライフステージにあわせた治療の方針を早めに立てる必要があります。特に子宮内膜症性の卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)は、大きくなってしまうと破裂するリスクがあり、がん化の可能性も指摘されているので、しっかり婦人科でフォローアップすべき病気です。

病気の可能性も!?
将来のためにも放置はできませんね・・・

・過少月経

経血量が異常に少ない過少月経や、39日以上生理が来ない稀発月経、3か月以上生理が来ない続発性無月経の場合、「低エストロゲン症」の状態になっている可能性があります。
エストロゲンは女性ホルモンの一つで、別名「美容健康ホルモン」と言われています。妊娠出産のために必要なだけではありません。肌の潤いを保ち、血管をしなやかにし、肝臓のコレステロール代謝を促し、骨を強くします。その他にも、卵巣から分泌されるエストロゲンは、体じゅうに分布するエストロゲン受容体に作用して健康を守っているのです。(図2)つまり、すぐに身体に現れる困ったことがないように思っていても、「低エストロゲン」が続くことによって、身体を早い老化に追い込んでしまっている可能性があるのです。

正常月経周期と月経不順の分類

図1 出典:善方裕美「閉経の教科書」

エストロゲン受容体の分布

図2 エストロゲン受容体の分布

図3に、閉経期から出現する疾患を示します。横軸は年齢で、一般的には40歳くらいから始まるエストロゲン低下に伴って、様々な病気が現れてくるのですが、もし、まだ20歳代なのに、無月経を放置してしまうと、ここに示されている様なことが、若くても起こってしまうかもしれないのです。
「生理が来ない」時には放っておかないで、健康を害する可能性があると思って対処してほしいと思います。

図3 エストロゲン欠乏に伴い出現するおもな疾患・病態 出典:日産婦誌2000年第52巻9号

図3 エストロゲン欠乏に伴い出現するおもな疾患・病態

出典:日産婦誌2000年第52巻9号

健康や美容を気にされるなら、毎月の生理はとても大事!
ホルモンバランスの乱れを整えることは
女性の健康へのワンステップです!

 

写真:善方裕美


善方裕美 よしかたひろみ

よしかた産婦人科院長
横浜市立大学産婦人科 客員准教授

横浜市港北区小机にてよしかた産婦人科院長を務める。また、横浜市立大学附属市民総合医療センターにて、女性ヘルスケア外来を担当している。

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