教えて!よしかた先生~生理が来ない!どんな可能性があるの?~

身体からのSOS

善方先生のプロフィールはこちら

重いし、痛いし、 毎月わずらわしいから
生理はなくてもいいんだけどな・・・。

無月経ですが、痛みはありません。このまま放置しても大丈夫でしょうか?

無月経とは、3か月以上生理が来ない状態を指します。「痛くもかゆくもないし、ナプキンを買わなくて済むし、何も困ることはないから、まあいいか…。」これは、ダメです。どうぞ、放置せずに婦人科で相談してくださいね。無月経だと女性ホルモンのエストロゲンが低い『低エストロゲン症』かもしれません。エストロゲンが低いと、骨がスカスカになる骨粗しょう症など、様々な病気を引き起こしかねません。
また、『多のう胞性卵巣症候群』(※)による無月経も考えられます。その場合、unopposed estrogenというエストロゲン過剰の状態で子宮内膜が分厚くなってしまっているかもしれません。3か月以上生理が来ない時は、婦人科で原因を調べて治療をした方が良いということを知っておいて欲しいです。

※多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovarian syndrome(PCO)):卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞が卵巣内にとどまってしまう病気

・婦人科での診察

「婦人科に行ったら必ず内診台で診察する必要があるかしら…。内診は嫌だなぁ…。」そうですよね。誰だって、内診台に上がるのは嫌なものです。婦人科の敷居が高く感じてしまう一番の理由だろうと思います。先生によると思いますが、私は無月経で来院された患者様には、まず尿検査で妊娠反応を調べ、妊娠でなければ、いつから生理不順なのか、最近の生活環境の変化や、体重の増減などをよくお聞きして、ホルモンバランスの乱れがどこから来ているのかを探ります。基礎体温をつけていなければ、つけるように指導します。また、採血でホルモン値を測定します。多のう胞性卵巣症候群を疑う場合は、超音波で卵巣と子宮の状態を調べなくてはいけないので、ここで、初めて内診台での経膣超音波をするかどうかということになります。性交経験のない場合や、内診に不安が強い方には無理に内診台での検査をせず、尿がしっかり膀胱に溜まるまで待って、おなかの上から経腹超音波で観察します。

怖がらなくても大丈夫ですよ!

・ダイエットと無月経の関係

では、子宮や卵巣に器質的な病気がない場合、無月経はどのように治療するのでしょうか?
無理なダイエットによる急激な体重減少が原因となることがあります。この体重減少性無月経に対しては適正体重になるように食事指導をします。BMI(ボディマスインデックス)=体重÷{身長(m)}2が18.5未満の場合、やせ過ぎ(るい痩)と診断され、日本人女性の平均身長158cmなら46Kgでやせ過ぎです。最近では20歳代のるい痩の割合が20%を超えるという異常な状況になってしまっており、間違ったボディイメージが体重減少ひいては無月経を引き起こしてしまいます。標準体重のBMIは22ですから158cmなら55Kgくらいがちょうど良いのです。この体重減少性無月経は、ダイエットしていなくても、過激なスポーツによって消費カロリーが摂取カロリーを大きく上回る場合にも起こります。「生理が止まるほど練習しなければ上達しない」と本人や指導者が誤った考え方に捉われた結果、骨粗鬆症による疲労骨折を起こしてしまうことをアスリートの三主徴として問題提起されています。

女性アスリートの三主微

・心身的ストレスによる無月経

体重は問題ないが、職場が変わった、飼っていたペットが亡くなったなど、心身的ストレスが強く影響した結果、無月経になる方もいます。その場合、ストレスを軽減する方法をカウンセリングなどで相談し、環境改善に努めます。また、食事・運動・睡眠が良好なコンディションになる様に生活習慣の指導もします。そのうえで、ホルモン剤の使用を検討します。

・ホルモン療法の種類と方法

ホルモン療法には1. ホルムストローム療法と2. カウフマン療法があります。
 

1.ホルムストローム療法

ホルムストローム療法は子宮内膜がある程度作られている無排卵の無月経に使用します。黄体ホルモン製剤のみを10日~12日間服用して排卵後の様な子宮内膜の状態を作ったのち中止することで、消退性出血として生理を起こす方法です。
 

2. カウフマン療法

カウフマン療法は、エストロゲンの分泌が少なく子宮内膜が薄い場合に、エストロゲンと黄体ホルモンの両方を服用する方法です。まずエストロゲン製剤を1週間~10日服用し、子宮内膜が作られてきたらエストロゲン製剤に黄体ホルモン製剤を重ねて服用し、人工的に排卵後の子宮内膜と同じ状態を作ります。合わせて約3週間服用したところで服用を中止し、消退性出血を起こします。カウフマン療法ではホルモン剤を服用して3周期にわたって人工的に生理を起こし、その後、自分のホルモンバランスが回復することを期待して、一旦投薬を中止して様子を見ます。
 

ホルモン治療のほかに、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸などの漢方薬を使用して、ホルモンバランスの回復を促す方法もあります。

・生理は健康のバロメーター

脳~卵巣~子宮とつながるホルモンの連携は、食事・運動・睡眠が整っている日々の健康的な生活によって良好に働くことができます。つまり、生理が順調であることは健康のバロメーターになるとも言えるのです。生理が来ないことは、自分の身体がSOSを発信していることと理解して、放置せず、しっかり対処していただきたいと思います。

今からでも安心して相談できる
婦人科のかかりつけを見つけておけるといいですね

おすすめ動画

  • ただいま登録されている情報はありません

関連コンテンツ