教えて!よしかた先生

更年期編

善方先生のプロフィールはこちら

閉経の前後各5年(45~55歳ぐらい)を「更年期」といいます。
更年期には「のぼせ」「ほてり」「発汗」などさまざまな症状があらわれます。
更年期と上手に付き合うコツや症状がひどい時の受診科などについて、善方裕美先生にお伺いしました。

1.更年期はいつから始まりますか?また、どんな症状ですか?

女性の更年期は、閉経をはさんで前後各5年程度、合計約10年間を指します。
閉経の時期には個人差がありますが、大体50歳ぐらいが平均的な閉経年齢です。閉経を50歳とした場合、45歳~55歳が更年期にあたります。
 

更年期には、さまざまな不定愁訴が現れることが知られていますが、代表的な症状は「のぼせ」「ほてり」「発汗」です。
特に運動したわけでもないのに、急にのぼせたり、寝汗でパジャマが濡れてしまったりすることなど、今までは経験したことがないような身体変化を感じます。
 

ほかにも、「イライラする」「眠れない」「うつっぽい」「不安感」「頭痛」「耳鳴り」「手足のしびれ」「肩こり」「腰痛」「関節痛」「尿漏れ」「性交痛」「皮膚の乾燥」「便秘」「動悸」「だるい・疲れやすい」「冷え」「めまい」「物忘れ・記憶力の低下」など、さまざまな症状があります。

2.更年期症状は、だれでも同じなのでしょうか?

善方先生が説明

症状の出方は個人差が大きく、ほとんど症状を感じないまま更年期を終える人もいれば、いくつもの症状に悩まされる人もいます。
 

更年期になると、家事や仕事で以前だったらありえないようなミスをしたり、気力が低下して、これまでできていたことができなくなったりする人も少なくありません。
真面目で頑張り屋といった性格の人は、更年期症状を感じやすい傾向にあると言われています。
また、この時期の女性は、仕事や子育て、子どもの巣立ち、介護など環境のストレスも多く存在します。
そうしたストレスが大きいと、更年期症状が重くなることが知られています。
 

更年期の時期の不調や体力・集中力の低下、やる気の喪失は、「あなた自身のせい」ではなく、「更年期のせい」です。そして、更年期は必ず終わるときがやってきます。
自分を責めないでくださいね。

3.更年期と上手に付き合うコツはありますか?

女性ホルモンであるエストロゲンのゆらぎを抑え、自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。
栄養バランスの取れた食事、適度な運動、質のいい睡眠を心がけるようにしましょう。
 

ストレスや自分を追い詰めるような考えも、更年期症状を悪化させてしまいます。
仕事も家事もこれまでの70%くらいできていればよしとして、自分を優しくいたわることも意識してみてください。
身体と心のバランスが乱れていると感じるときは、家族や友人だけでなく、医師への相談も選択肢の1つです。

自律神経のバランスを整えているイメージ

4.症状がひどいとき、何科を受診したら良いですか?

まずは、一番つらい症状が何かを考えましょう。
どこの科がいいかわからない時は、まず全体的な相談をするという目的で、婦人科を受診することをおすすめします。

更年期障害とは器質的な疾患がなく、更年期症状で日常生活に支障がでることを指すので、鑑別のために他の科を紹介することもあります。
辛い症状が、「めまい」「耳鳴り」であれば耳鼻科、「胸が締め付けられる」「高血圧」「むくみ」なら内科、「腰痛」「手足のしびれやこわばり」等は整形外科、「頭痛」は脳神経外科や神経内科、「膀胱の症状」は泌尿器科を受診して、器質的な疾患がないかどうか調べます。一番つらいのがこれらの症状なら、婦人科に行く前にかかっておくほうが良いでしょう。

婦人科は女性の心と身体を全体的に診る専門の科です。複数の科を受診するにしても、本音で自分のことを相談できる「かかりつけ医」を持てるようにしたいですね。

おすすめ動画

  • ただいま登録されている情報はありません

関連コンテンツ